棟梁 2003.09.12

大工の棟梁が足場から落ちました。
私の現場ではないのですが、、、

運送業からこの仕事へ入った時に、いろはのいの字を教えてくれた棟梁です。
良くも悪くも、建築のことを叩き込まれた棟梁です。

それはもう声がでかい!、、、口が悪い!、、、わがまま!

それでいて手が早い(女ではなく仕事)手がきれい(棟梁の手ではなく仕事)

今は歳だからかも知れませんが、落ち着いた仕事ぶりですが、
以前は、店舗建築にはなくてはならないひとでした。
店舗の工期、予算、仕上り、、、バランスを取ってくれる数少ない大工さんでした。

病室の戸を開けると、女将さんがいました。
棟梁は寝ているようなので、帰ろうとすると、
女将さんが棟梁のひじを突き、「Mクンが来てくれたに、、、」

私は、何度も入院した経験があり、あのベッドの上にいる事は、
慣れっこになっているのでしょう、、が、、、
あの、口うるさい大工のおやじが横たわっているのは、
なんとも、、、つらい、、、

女将さんがいろいろ話してくれる間に、(結構、重傷)
「痛みが取れたら現場を見にゃいかん、、、」ほか、たらたら、、、
「あきらめて、寝とりな。で、不味い病院食でも、食えるものは食いな、、、」

そのうち、看護婦さんが痛み止めの座薬を持って登場。
さすがにオヤジのケツを見るのははばかられるので、退散する事に、、、

「今度は季節の果物を持ってこいよ、、、」
出口に向かう私に声を掛けます。
「ぶどうだな!ぶどう!、、」
戸を閉める瞬間に言います。戸を開けなおして、「分かった!ぶどうな!」
戸を閉めて歩き始めると、部屋の中から、、
「キョホウがいいな!!!」
歩き始めながら、「わかった!!!」

晩秋には、息子の結婚式が控えているはずです。

悔しかったら、ゆっくり寝て、早く出てこい。