10月31日、第4回目の立川志の輔独演会が伊賀良で開催されました。当日は大入り満員で立ち見も出る勢いに圧倒されました。志の輔さんの落語を聴きたいと集まって下さったお客様にこころから感謝いたします。
開場前から入口に長蛇の列ができ、会場とともに客席がいっぱいになってしまいました。満員のお客様を前にまずは、志の輔さんの二番弟子、志の八さんの『たらちね』です。志の八さんの『たらちな』は何回か聴いているのですが、少しずつ前進していると思われます。この日も緊張している客席をホッと和ませ、師匠の志の輔さんへと。
開催場所は伊賀良の公民館なんですが、ここのすごいところは、出入り口が2つしかなく、それも客席の後ろ側のみ、お客も志の輔さんも同じ所を出入りするのです。よって志の輔さんが、入口を入り、高座に上がるまで客席の横をずっと歩いていくのです。ちょっと場所を間違えて造った花道を志の輔さんが歩いていると考えてみて下さい。その花道を志の輔さんがゆっくり、ゆっくり高座へと・・・
有栖川宮詐欺事件、開かずの踏切問題、「オレ、オレ」詐欺の対処法など志の輔さんらしい切り口でお客のこころをつかみ、一席目の『真っ二つ』この噺は、映画監督の山田洋次監督が、小さん師匠のために創った新作落語だそうで、志の輔さん、もしかしたら期間限定で伊賀良の2日後の横浜を最後にやらないかも(?)という貴重な噺でした。
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のどかな田舎の秋、真っ白い大根がずらっと並んで干されている、それを見ながらたばこに火をつけいっぷく・・・本当においしそうにいっぷくするのです。ああ、今日も志の輔さんの世界に連れて行かれるのだなと思いながら最後まで夢の世界を旅してしまいました。
2席目は『しじみ売り』志の輔さんいわく、「この噺はいろいろな条件がそろったところでしかできないんだ」と、条件のなかの大きな要素に「お客の質」があるそうなのです。伊賀良のお客さんの質は相当いいらしく、志の輔さんをうならせていました。なかなかやらない『しじみ売り』聴きごたえありました。
水をうったような静かな客席と、三味線の音、志の輔さんの耳にけして嫌ではない特徴的な声・・・鳥肌が立つくらいの凄い空間に今、自分はいるのだなと感動してしまいました。現実の世界に戻ってくるのが惜しい気がしました。
志の輔らくご、次回はどんな世界を披露してくれるのか今から楽しみです。是非来年も志の輔さんに伊賀良に来ていただけるように、皆さん応援してください。
鴨居富士子(新会員)
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