一 自然崇拝のおこり

 遠山郷は深い山なみのなかから、水が沸き、いくつかの澤から遠山川となっています。
人びとは自然のなかにあるものをみつけて神格としました。
 むかしの人も、はるか前の人も、不幸せはいやだ、幸せになりたいと努力したきた人が、
この世の中をつくりあげました。
 ずっと昔、遠山に住んだ先祖に当る人びとは、自然のなかにあるすべてのものに霊魂
(たましい)
やどっていると考えていました。
 その為、人間の力ではどうすることも出来ないようなことにつきあたると、何物かに頼り、
すがろうとする気持ちから、山に行っても、川に行っても、そこにある草や木、または土や石、
照らす太陽、輝く月などあらゆる自然物に神が宿るという神格
(神様としての資格)を求め、
これを崇めて信仰する習わしが、人びとの生活のなかに取り入れられました。

























               
 
                   自然崇拝の神格