あとがき

 今年四月の諏訪神社御柱祭り当日のことでした。
参拝客のひとりが、神殿を参拝した後、私の方に寄って来て、
「この神社はいつ頃創建されたのですか」と言われました。
そして、御柱祭りや霜月祭りのことを次から次へと問いかけられました。
私の知る範囲のことを説明申しあげ、最後に私の住所を教えてというので、
名刺をお渡しました。
 八月のある日、その方から、「諏訪社の祭りについて資料を譲ってくれないか」
との電話がまいりました。
私は、「資料なるものはないので、今年中に諏訪社に関係することを書いて差しあげます、
と約束いたしました。
 こうしたいきさつもあって、「遠山谷の諏訪社」と題して、冊子(本)を刊行することに
なりました。
 本を作るに当っては、
@遠山谷の人びとが、諏訪社を崇敬して行なっている祭事を、ありのままの姿で記録したも
のにする。
Aページ数を少なくし、気軽るに読んでいただけるものにする。
B一年を通じた祭事も大切なことですが、霜月祭り、御柱祭りに力点をおくことを編集方針
としました。
 霜月祭り、御柱祭りは、私が幼い頃から見たり、経験したことをもとに、多くの方のご協力
を得て纏めてみました。
 この本を作る過程で、この遠山谷で生活して来た先人、先輩、そして、私たちの祖先は、
自然を崇め、氏神様を崇めることによって、幸福な生活を求め、努力して来たことを、改めて
感じとらせていただきました。
 そして、こうした先人たちの願いが、遠山谷にその当時のままの姿で伝承されていることは、
大変すばらしいことではないか、誇りにしてもよいのではないかと思わせてもらいました。
そんな気持ちも含めて、この本を刊行いたしました。
お目通しいただければ幸甚です。

  平成十六年(二〇〇四)十一月吉日

    「遠山谷の諏訪社

発行日 平成十六年(二〇〇四)十二月十三日
発行者 〒三九九- 一三一三
      長野県下伊那郡南信濃村南和田
               荒井  学
     電話(〇二六〇)三四-五〇二五
     ファックス   電話と同じ番号
印刷者 飯田共同印刷株式会社
    どんぐり堂      山田 良雄 


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