その2「U君の巻−2」(H18.9.29)

クワガタの名前


 Johnさんなら、1匹1匹に「固有名詞」を付けて呼び、さらに「ケンジの娘のチビ」なんて呼ぶからとても愛情を持って虫を飼っていることがわかる。

 それに比べてわしは、虫に対して冷徹非情。

 愛情を持って若齢幼虫から育てたはずのクワガタも、新成虫を飼育ビンから掘り出して、「ええいこの虫め!じっとしていねえか!」と息を吹きかけ、やっとのことでノギスをあてて体長を測定し、記録ノートに転記した瞬間・・・・・・・・「(デブのひがみ丸出しで)スマートだなあ・・・・人間ならさぞかしもてたことだろうよ・・・・残念だったな、おまえはオオクワじゃ!ずんぐりむっくりでなんぼのオオクワじゃ・・・・・・おまえなんぞいらんわ!」

 オオクワの命名法も78−3,80−11,79−8・・・・・・・・・無機的。
「(通算飼育水槽番号)−(回収幼虫とうし番号)」が虫の名前になっている。

 最初のうちは、我が家に初めてやってきたクワガタムシ(成虫でも幼虫でも)に順番にA、B、C、D・・・・・・とアルファベットを付けていったんです。

 その子供は当然「A×B」となる。
 そして孫は「A・B×E・F」となる。
 その子供は「AB・EF×CD・GH」となり、
 そのまた子供が「ABEF・CDGH×IJAB・EFKL」となった頃気付いた。
 
 う〜ん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・名前欄がパンクする。

 困ったあげく、サブ分類法として行っていた今の命名法
 「(通算飼育水槽番号)−(回収幼虫とうし番号)」に落ち着いたのさ。



U君にオオクワを託して数日後の昼休み。突然電話が鳴った。

 「もしもし、Uの家内ですけど。」

 うっ・・・・・・一瞬身構える。

@「こまるんですよね、ああいうものを渡されては」
A「ありがとうございます高価なものを(本心:ラッキー儲かっちゃった)」
B「ありがとうございます高価なものを(本心:よけいなものよこしやがって)」
 さてどれだろう。奥様方から直接電話が来ることはほとんど無いが、もれ伝わる里親の家庭での反応は1:2:2。


 「話には聞いていましたが、すごく大きいクワガタでびっくりしました。子供がムシキング好きなので本物が6匹ももらえて大喜びしています。」

 まだ確定ではない。2番目か?3番目か?

 「いや〜そんなに大きい個体ではないんですよ。気にしないでください。」

 「いえ、家で飼っているノコギリに比べたら大きいですよ。・・・それでお聞きしたいことがあるんですが。」
 聞きたいことがあったようだ。よし2番だ。(ホッと胸をなで下ろす)

 「子供が喜んじゃって、ダメだって言っているのにさわったり持ったりしてるんですけど、やっぱりまずいですよねえ。いじるとすぐ死んじゃいますよねえ?」

 安心して答える。「すぐに死んじゃうのは、子供がいじるからではなくて、普通のご家庭で飼っていらっしゃるのがノコギリやミヤマがほとんどだからですよ。ノコギリやミヤマは1シーズンしか生きないからですよ。あげたのはオオクワガタなので、床や壁にたたきつけたり、熱湯ゲームをしたりして遊ばない限り簡単には死なないと思います。子供さん達が遊びたがったら、いくらでもいじらせてあげてください。」

 「(笑)わかりました。それでは遊ばせてあげますね。」

 「だいじょぶ、だいじょぶ、うんといじらせてあげてください。ああ、ただしクワガタを手に止まらせるときは、牙が手首側に向いているようにしてください。指側に向いていると指をかまれる可能性がありますので。でもまあ、オオクワガタはおとなしいので大丈夫だと思いますがね。」

 「わかりました。丁寧に教えていただきありがとうございます。それでは失礼いたします。」

 「いえどういたしまして(ワシの本心:しっかり遊ばせて弱って死んじゃったらまたワシのところでもてあましているクワガタもらってね。)」     ・・・・・・・・俺ってホント・・・・・冷徹非情!