その26「今はなき清水館長」(H18.11.21)
 諏訪郡原村のペンション村に諏訪クワガタ昆虫館はあった。
 訪ねたのは平成8年8月中旬である。
 そこにいらした清水さんは、昆虫写真家で有名な山口進氏のオオクワガタ採集の師匠である。また、山口氏の代表著書「小学館の学習百科図鑑クワガタムシ」を山口氏に作るよう奨めた張本人でもある。
 当時私は疑問を抱いていた。
 マニア向け業者達のカタログにある「生き虫のリスト」である。「これっていいの??」と常に思っていた。その事を清水館長にそれとなく尋ねたのである。
 清水館長の答えは明白であった。
 「外国産の生き虫は輸入は許されていません。標本も東南アジアや南米の物は入手は問題ないが、中国やインドの物は入手できないはず。」とのことであった。
 生き虫の輸入が出来ないことにも役所の頭の固さを嘆いてもおられた。
 そう教えて下さった清水さんもほどなく亡くなられたことを新聞で知った。

 外国産クワカブが輸入解禁になる前のことである。

 今、外国産クワカブが日本の在来種を脅かす存在にすらなりつつある事態となっていること・・・・清水さんが御存命であったらなんとおっしゃるんだろうか?