ようこそ まずは水引そのものの紹介です

 素材としての水引とは

 水引は、均質な針金や、柔軟性と伸縮性に富む紐とは違い、伸縮性は針金・紐のどちらよりもなく。強度については同じ重さの針金より強く、同じ重さの紐と同等(私調べ・・・笑わないでくださいね、調査してくれたところも調査してくれそうなところも、調査依頼をする予算もないんですから)。素材であります。
 また、縒り(より)の方向(時計回り・・かな)性に逆らってねじると折れてしまい、また、表面を絹糸で被った「絹まき」水引や、彩色・金属メッキを施したセロファン帯で巻かれた「特光」水引等の場合は其の表面を被うものの巻きつけの向きに逆らってあつかうと表面がよじれたり、皺になったり、最悪はがれてしまう。と言う性質もあり、異なった種類の水引を組み合わせて使う際には扱いの難しさが倍増する素材であります。
 更に、寸法が決まっている上に、伸縮性がないため、結んだり、編んだりすると、内側にあたる水引は丈があまり、外側のにあたる水引は丈が不足してしまいます。


 以上の性質から、水引は紐と違ってきつく結ぶと形がゆがんでしまうが、針金よりはしなやかなので、曲線的な表現に適し、その弾力のために平面と立体の中間的な表現に適した素材で、弾力と弾力の力のバランスを利用して造形を行う素材であるとおもわれます。また、素材の持つ科学的性質と、サイズ的制限から其の技術は独特のアルゴリズムによって制限を受け、また其のアルゴリズムに支えられて成り立つと言えます。

 また、西洋のリボンと用途の質が似ておりますが、リボンのような平面性のものではなく、何本かの水引を並べた状態でリボンのようにあつかう用い方をするため、リボンとも似て非なるものであります。リボンと、針金と、紐の中間的な性質で、用いられ方はリボン的な存在だと言えそうです。
 
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