かめのこむすび
 
 亀は大地の力、そして海底世界からの使者

 「亀」は日本に限らず、東アジア全体で縁起のよいものとされています。一つには長命であること、もう一つには海ガメの周期的上陸や、陸ガメが春がおとずれると地中から「再生」してくることなどが、神秘を感じさせた体と言われております。
 古代人の自然を見る目の確かさと、想像力の豊かさを感じます。


 この結びは出来上がった形が亀の甲羅に似ていることから「かめのこむすび」と呼ばれているのですが、おそらく過去の時代において先人たちが「頑張って亀の形になる結びを編み出した」のだと思います。
 編みとしては、特に立体もの等に応用がひろく、小物を作る上で重要な結びです。
 この結びに限らず水引の結びでは「すれ違い」が大切です。交差しないまま一度通り過ぎるようにしておいてから次に出会うときに交差させてあげると「美しくかつ強いむすび」ができるのです。 人と人との「縁」においてもそういった不思議は多いですが、そんなところも「水引」が「縁起」ものとしての発展してきた理由なのかもしれないですね。

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