松結び
白砂青松という思想
松もまた、その長命さから神秘を感じさせ、冬でも緑であるその力強さと姿かたちの見事さから生命力の象徴として「縁起物」の柱となっております。
婚儀につきものである「高砂人形」ですありますが、末永く続く夫婦仲を象徴していることはなんとなく見て取れるのですが、なぜその背景が白砂青松なのでしょうか、「州浜」と「すあま」など、この「白砂青松」にまつわる疑問は尽きないのですが、今日ある日本の姿の原風景であると言う解釈を紹介しておこうと思います。
「島国日本」、それを強く印象づける日本らしい海辺の景色が「砂浜と松」であります。
さて、最近その開始年代が何百年かさかのぼるなどと言われております「稲作」でありますが、稲作文化は海を渡ってやって来ました。希望と不安を胸に日本列島に上陸したご先祖方の目に映った日本の海辺の美しい景色は、末永い幸せを約束する、未来への希望の象徴として目に映ったのでしょう。そして、その目に焼き付いた美しい砂浜と青々とした松の景色記憶は、末長い幸せと未来への新たなる希望の象徴として代々受け継がれて今日まで至ったのでしょう。
というものです。(当然ですが解釈や説は他にも色々あります。あくまで一例と言うことです。)
結びとしての「松結び」は「亀の子結び」同様にすれ違いがポイントな、あわじ結び系の結びです。
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