
結びの〆
本結びと両輪結び
細工物の水引が主流となったのは歴史的には最近のことでありまして、「折形」の結び用具としての水引がそもそもの主流と言えます。その用途での結びは今日でも日常的に用いる「とじ結び」と「蝶結び」で、それぞれ「こま結び・本結び」と「両輪結び・諸なわ結び」などと呼ばれております。
こま結びは、「結び切り」と言って婚礼の際の折形にのみ用い、二度とないようにと、結んだ先端を切るとされております。
諸なわ結びは、平たいものを包む折形を結ぶ際に用いられ、輪が、一つになるように結ばれた場合は「片輪結び」と呼ばれ、丸いものや天に向かうもの(木の花等)を結ぶときに用いるとされているようです。
私のように、早くから水引にまつわる作業が高度に分業化された飯田の地で育ったものは、折形の領域に入ってくる水引結びをしたことがほとんどなしだけれども、水引歴は云十年という人が多いと思われます。
私は、仕事でこれらの結びを結ぶ機会は少ないのですが、紐や、リボンで結んでいる要領では結べず、水引でこれらの結びをすることは大変困難であると言う実感をもっております。
また、「一度結んでしまえば大変強く、また二度と結びなおせず、ほどいたらそれきりになってしまう」と言う性質があります。なんとも正式な行事向きな素材であると感じさせてくれます。
和紙で包み、水引で結んでとめる慣しは、武家社会の中で確立されたと言われておりますが、潔さを重んじる精神と、和紙という素材は合い通じるものがあると思います。
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