其の四
  乗務員様
 乗務員様とはとは、いわゆるバスガイドさん・添乗員さんでありまして、私共にとってはいわば天使のような方々であります。朝から御酒の入っていらっしゃるお客様や、元気が暴発する恐れのあるお子様まで様々入り混じった団体様を見事に統制・誘導して私たちの接客をフォローしてくださる仕事人であります。
 先日家の風呂が故障してしまい、しかたなしに近場の温泉に行くことにしてちび達を連れて出発、用心して観光バスのめったに立ち寄らないところを選びました。
 娘は母と、息子は父と浴室へ入りました。広いお風呂にはしゃぐちびをどうにか制御しつつ体を洗って温泉につからせてやりました。で、普段のお風呂の倍近い時間欲張ってつかってから温泉を出て、母と娘を玄関ロビーで待っていたところ、三歳の息子がそこにいた若いお姉さんに愛想を振り撒き、其のお姉さんがうれしそうに抱っこしたりして遊んでくださりました。
 何とはなしに観光関係の人の気配を感じたのですが、其のお姉さんは施設の事務所にも出入りしていたので、そこの従業員の方かなぁ?とおもって、「業者の方ですか?」と聞いてみたところ「ハイ」とのお返事、私は勝手に其の温泉の人なのだと納得し、ちびは嬉しそうに遊んでもらい、まもなく母と娘が来たので「どもありがとうございました」と挨拶して家に帰りました。
 さて次の日、其の日の四組目くらいのバスでいらっしゃった団体のお客様ご来店。先導していらしたガイドさんにしっかりとした見覚えが・・・私もあちらもびっくり仰天。私は調子が狂ってしまって、ご挨拶での掴みから始まって全部が滑ってしまいましたが、あちらはまさにプロと言う感じで、すぐにペースを取り戻してしっかりと仕事しておりました。うーん水心は未熟者です。
 これからは宿泊施設の無い温泉に行こう(そんな温泉無いような気もする)と思いました。

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 by水心