其の七
 元結 水引 「結び」 → サムライ ニンジャ ゲイシャ   結納
  サムライと元結 

 サムライのシンボルである「髷」、を作るのは第一に元結である。髪をいためず、しかもしっかりと美しく整えることを可能にしたのは「飯田の元結」である(極論ですが)。この「髷」はやはり「正装」であった。日本人は改まった物事においてどうも水引(元結)を使う様である。
 文章、贈り物(プレゼント)の正装には元結の美装版である水引が用いられ続けている。

  元結とニンジャ

 元結は細い紙を紙縒りにしたものなので、実はほどけば字が書ける。また紙を紙縒りにして元結にすれば、誰にも内容を見せない形で、しかも持ち歩いていることにも気づかれないまま重要な文章(情報)を運べるのである。ニンジャにとって元結・水引は密かに重要な通信手段であったのだ。
 時代劇特に遠山金四郎関連の時代劇での悪役の定番「後藤三衛門」は実は飯田の水引問屋出身・・・幕府関連のニンジャには飯田元結の技術協力なんかがあったかもしれない・・・・・

  ゲイシャといえば

 日本髪、日本髪を形作るのは何しろ元結、それも日本の元結は今も昔も飯田産。私の散歩コースの一つである鼎・下茶屋には今も国技館やら、日本全国の神社やら、歌舞伎役者さん・ゲイシャさんに元結を供給している「松文」さん(建物はなんと安政年間のものとのこと)があります。日本髪文化を支えている元結、もっともっと皆さん使ってやってください。

 というわけで、海外で日本と言えば の次にでてくる「サムライ」、「ニンジャ」、「ゲイシャ」はすべて水引、元結と切っても切れないものなのです。


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 by水心