照初霊神(てらはつれいじん)さま

     此田 照初霊神


  此田
(このた)、小嵐(こおろし)には、モンリユウ霊神、ヤマザキフキトジヒメ霊神な

どいくつかの霊神さまがまつられていますが、そのひとつが山崎貢さん宅の照初霊神であり

ます。
明治初期、山崎さんの祖先で初太郎という御岳行者が、旅の途中飯田で赤痢にかかり

亡くなったので霊神としてまつったということです。

 もうひとつ、嫁取りに失敗し、御岳参りに行って供託を受け亡くなったハツヤという人を

まつった霊神もあります。

霊神信仰は江戸時代中期以降に特に盛んになりました。生前恨みを残したため、怨霊とな

ることを恐れその霊を鎮めた結果守護神となる例と、生前徳
を積んだ優れた人が神にまつら

れる例とがありました。

 明治時代、木曽御岳信仰において霊力の高い行者がその死後、何々霊神としてまつられる

ようになったのが各地に広まったようで、此田地域にある霊
神のうち二つは御岳行者をまつ

ったものです。

此田周辺には、シャグジさま、座王権現、当堂神社の他、木地師(きじし)の墓を虫歯の神

「木地神さま」としてまつっている例もあり民俗学的にはたいへん興味深い地域ではないか

と思います。


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