六) 祭事の大要

 神を敬い、祖先を尊ぶことは、わが国古来の遺風であって、このことは土地を開拓すると、
まずその地に祖神を祀って、その鎮守
(守り神)として来ました。
 これが氏神であって、この地に生まれた人、この地に居を定めたひとは、すべて氏子となりました。
諏訪社では、氏子とする区域の人たちが、感謝の気持から、氏神さまに身を清めたうえで、
お供えをし、ご加護をいただいた御礼を申しあげ、神様をお慰めする祭り
(祀り)が行われております。
 この祭りには、毎年行う例大祭と、一定の期間をおいて行う式年祭
(御柱祭)があります。
例大祭には、次が行われています。

(1)元旦祭          一月一日

  元旦祭は、歳旦祭、元日祭とも呼ばれています。年の始め、すなわち一月一日の元旦に行われるのが、
 この祭りです。氏子崇敬者の平安と、社会の繁栄、ひいては、国や村地域の隆盛を祈願する祭りです。

(2)節分祭          二月三日

  追難式、節分とも云われます。病気予防の民間行事にともなって起こった祭事です。
 諏訪社では、厄除祈願と悪魔払いをなし、福を受け入れ、氏子の安全祈願をする祭りです。

(3)建国祭          二月十一日

  
   紀元祭、建国記念の日とも言われる祭事です。
 この日は、わが国の誕生日を祝う祭りで、神武天皇が位いにつかれた日で、民族の自覚を深め、
 愛国の意識を新たに、國の発展を祈る祭りです。

(4)祈念祭          三月十三日

  御戸開
(みとあけ)祭り、春祭りともよばれています。
 本年はじめて、鎮座する社の戸をあけ、五穀
(米、麦、あわ、きび、豆の五つの穀物)をはじめ、
 食物全体の豊穣を祈ると共に、国家国民、地域氏子の安泰と繁栄を祈る祭りです。

(5)大祓(おおばらい)式   六月三十日

  夏越し祭りとも言われています。氏子が生活をしている間には、さまざまなことを経験します。
 時には傷ついたり、穢れに触れたりすることもあります。
 これをとり除くためのおはらいをするのがこの神事です。

(6)御射山祭       

  八月二十六日日、二十七日の両日行われます。
 諏訪社の例大祭のなかでは、霜月祭りに並ぶ大きな祭です。
 御射山祭りについては、後の項でくわしく述べます。

(7)勤労感謝の日      十一月二十三日

  新嘗祭
(にいなめさい)とも呼ばれます。
 新嘗とは「新饗」の意味です。
 新とは新穀、饗とはご馳走を表わします。
 三月十三日に祈年祭を行なって、五穀豊穣を祈ったのに対し、取り入れの秋をむかえ、
 神々の恵みによって豊かな作物がとれたことを、新穀を神前にお供えして、
 その御礼を申しあげる祭事です。

(8)例大祭
 
  十二月十三日に諏訪社の例大祭を行ないます。
 この祭りは、霜月祭りとも呼ばれています。
 後の項でくわしく述べます。

(9)年越し祭        十二月三十一日

  新年を迎えるに当って、今年一年のあかを払い、
 無事に年越しの出来た神恩を感謝し、来たる新年が、よりよい年であることを祈り、
 地域の隆昌と、氏子の安泰を祈る祭りです。
 師走祓いとも呼ばれます。



   大祓い式