(3)湯の式

 最初に、しめ飾りと釜の水を清めてから式開始の宣言がなされます。
 次に、二十六行の神楽歌が、太夫の太鼓と弥宜
(ねぎ)たちの「シャリン、シャリン」
の鈴に合わせて、次々と歌われます。
 神楽歌は、太夫が「もと」を唱え、他の弥宜たちは「うら」を唱えて進行します。
 この時の歌詞は、「神様が黄金の戸を開いて現れた。神様のおいでになる道を清めます。
神様のおいでになる道を飾ります。神様が今おいでになった」の意味です。
 続いて、宣明が唱えられます。
 内容は、「今日のよき日に全国の神様一社残らずおいでになって、お湯とお神楽を楽しんでください。」
という、神様への招待状です。 
宣明が終わると、二十三行の神楽歌が、「もと」「うら」をとりながら、前同様で歌われます。
 この時の歌詞は、「峰は雪、麓は時雨、里には雨が降っている。この冬の日に、神様たちが招きに応じて、
この宮の庭においでになる」という内容です。

 (注) 神楽歌の歌詞は、季節に合わせた内容にするなど、遠山谷で行なわれている他社では若干違って
    います。
     くり返し歌う諏訪社での「アンヤーハー」は暗夜の意味であり、上村では、「ヤンヤハーハー」
    は夜明けを意味するなどです。
     なお、和田・八重河内・南和田の祭りで違うのは、集まる氏子だけで内容は全く同じです。

(4)ふみならしの舞へ