私たちの毎日は、素朴な典礼と念祷(沈黙の祈り)からなる「祈り」、生活のための「仕事」(ホスチア製造、畑、縫製、家事など)、キリストにおける姉妹相互の交わりである「共同体の生活」によって織りなされています。
アビラの聖テレジアは、「念祷とは、神から愛されていると知りつつ、その神とただ二人だけで交わす親しい交わり」であると言っています。祈り、仕事、姉妹相互の交わり――日々の生活の全てが、神との親しい交わりのうちに営まれていきます。それは、単調であるとともに、キリストの奥義に一歩一歩分け入る小道でもあります。
カルメルは、信仰、希望、愛の徹底的な対神徳を生きる砂漠であるとともに、家庭的な温かさをもあわせ持っています。聖テレジアは、娘たちの中に明るい喜びがあること、単純で雄々しくあることをも望んでおられました。手仕事をしながら、自由に語り合う休憩時間には、快活な笑い声が響きます。キリストにおける姉妹として、愛しあい、支えあうあたたかな交わりの中で、祈りの生活が育まれ、そこに神の愛が輝きます。そして、そのような共同体を通して、神の愛は全世界に輝きを放つものとなっていきます。