創作 遠山の民話

はじめに

 民話には、郷土に生きた人々の生活感情(夢・願い・知恵・ユーモア・信仰など)がこめられています。
また、民話の持つ、独特の語り口詞−やわらかく、暖かい−には、何とも言えない良さ、魅力を感じます。

ここ遠山にも、たくさんの民話や伝説が残されており、それらを取材し、自分なりにまとめてみようと
試みたのがこの「民話集」なのです。もちろん、数多くのものは既にまとめられていましたが、その中の
ほとんどが「伝説」の形をとっており、「語り」のものはごくわずかでした。ですから、身近な人々に話
しを聞いたり、「伝説」をもとにしながら、中学生らしい創造性をそこに吹き込み、「語り」の口調で郷
土遠山の民話をまとめてみようとしたわけです。

 指導の至らぬ点が多く、稚拙な文章も多いかもしれませんし、伝統や文化の継承という意味から見れば、
多分に独創的すぎるものも多いかと思います。しかし、書く意欲に支えられて、みんなねばり強く作品を
仕上げました。
国語学習という面から見れば、書く力は確かに向上したと信じています。
 この学習を機会に、生徒たちの心に、今まで以上に郷土への愛着がわけば大変うれしく思います。

 尚、本学習は二学年の三学期に行なわれました。忙しさにかまけて、三年の今まで製本が遅れてしまい
ましたが、やっとこの度本になります。生徒諸君には、苦労し、頑張った学習の足跡を、じつくりふり返
ってみてもらいたいと思います。

                       昭和五十七年十月

           池上 幸治

もくじ

 1組                   2


穴の中のかえる


岩 の 話


一夜の出来事

一 杯 水

お池のたたり―お池伝説より―

おせんの恐怖遭遇記

鬼 ケ 城

おにばば

おらとすもうとらねえか!

おわんぶち

川らんべえの話と子供たち

きつねと長者

弘法様の恩返し

便りが島

天狗の罰

遠山様の死霊祭り

とらのねば

どんまいとおし

七つの地蔵様

のっべらぼうと村人

蛇 神 様

もどらなかったおわん-おわん淵より-

やさしい息子と山ぎつね

山姥と親子

山姥と焼めし


ある峠物語


意地悪宝作とドジベエ呉作

大鬼相撲

おせんぶち伝説

おせんぶち

尾の島の八幡様

おわんぶち

髪そりギツネ

かわらんべえとさよちゃん

かんのん様

きつね火

きつねの結婚

くまだおし(池口)

皇神様

しんのすけとかわらんべえ

太郎の鬼退治

地の神様

天王様の赤ん坊

茶椀とごん三郎

七つ釜

ほおずきのなる頃

夫婦池

弥 生

雪の花

与吉と山男


創作 
  遠山の民話


昭和五十七年十月二十一日発行
発行 遠山中学校 第三学年
印刷 株式会社秀文社


 ※掲載者からのおことわり
  掲載にあたっては、個人情報保護のため創作者名を割愛しました。

   また、原文どおり再現しましたので、読みにくい点等ご容赦ください